AViC Research Memo(8):質疑応答(1)
*17:20JST AViC Research Memo(8):質疑応答(1)
株式会社AViC<9554>■質疑応答
●はっしゃん
はい、ありがとうございました。それでは、ここから後半のパートに移ります。
まずは理論株価チャートを用いて、右肩上がりの成長を続けているAViC様の株価動向を見ていきたいと思います。オレンジのラインをはじめ、さまざまな指標が表示されていますので、最初に理論株価について説明させていただきます。理論株価チャートとは、決算書のデータを可視化し、企業価値の目安となる指標です。具体的には、過去6年半分、四半期決算で計26ファイル分の決算書データ(XBRLデータ)から算出しています。この指標を作成した目的は、専門的な金融知識がない初心者の方でも、企業の状況を評価できるようにすることです。
具体的には、PERやPBR、ROEなどの指標があります。市原様はもちろんご存知と思いますが、これらは実は専門知識にあたります。そのため、これらの指標は学校では教わりません。小学校はもちろん、中学・高校でも学ぶ機会はなく、大学でも金融分野に進まない限り、一生触れることがないものです。しかし、こうした知識が株式投資には求められているのが現状です。私自身、日本において株式投資をより広め、国民全員が投資家として参加できる社会を実現するために、何が足りないのかを考えました。そこで、専門知識がなくても一般の人が投資できるようにするための手段として、「理論株価」という指標を活用することを考えました。
この理論株価を活用することで、決算や業績の推移を可視化したり、株価と比較して割安かどうかや上昇余地を分析することができます。
また、この理論株価チャートはシンプルで分かりやすく、四半期単位の業績推移を可視化したものです。成長企業や優良企業であれば自然と右肩上がりになりますが、一方で、成長が停滞している企業(成長倒れ)や業績が不振な企業は右肩下がりになってしまいます。
また、株価との関係についてですが、株価が高すぎるとバブル状態になり、逆に安すぎると経営危機に陥る可能性があります。最も重要なのは「連動性」です。業績と連動しながら、健全に株価や企業価値が成長していくことが、最も望ましい形だと考えています。
はい。そして最後に、この線の意味について説明します。一番下の緑色のラインは「資産価値」のラインで、解散価値とも呼ばれます。真ん中のオレンジ色のラインは、会社予想から算出した「理論株価」です。最も上にあるラインは、理論株価の2倍に相当し、「超割高」の目安となります。また、赤色のラインは、会社予想に対する先行指標となる「実績理論株価」です。この進捗率を基に、例えば上方修正や下方修正の予測、四半期ごとの特性の分析に活用できます。第1四半期に利益が大きく偏る企業など、特定のパターンを捉えるのに役立ちます。さらに、ピンク色のラインは、配当を含めた4%相当のラインです。近年、配当を重視する投資家が増加しているため、このラインが下値の抵抗線として機能することが多くなっています。
はい。そして改めて、AViC様の理論株価チャートを確認しておきます。まず、AViC様は上場から約2年半と、比較的新しい企業です。その中で、理論株価の推移を見ると、当初は上昇し、その後下落しましたが、直近では再び上昇し始めています。一方、株価についてですが、現在は理論株価よりもやや低い水準にあります。そのため、「割安超高収益株」と位置づけられます。先ほど、収益力が非常に高く、成長性も業界内で上位にあるとのご説明がありましたが、市場評価としては、理論株価と比較すると依然として割安な水準にあると考えられます。実際、理論株価(オレンジのライン)よりもやや下に位置しています。一方、赤のラインは「実績理論株価」を示しており、株価はこの実績理論株価とほぼ連動していると言えます。
実は、上場して間もない企業の場合、理論株価との連動が難しいことがあります。これは、規模がまだ小さく、業績の予測が難しいためです。そのため、株価が実績理論株価(赤のライン)に連動するケースが多く見られます。AViC様の場合も、この傾向に沿って赤のラインに連動していると考えられます。
直近の動きについてですが、2月は調整局面となりました。しかし、先行指標が大きく上昇しており、株価も比較的堅調に推移しています。2月に下落した企業が多い中で、AViC様の株価は安定した動きを見せているのではないかと考えます。このAIの方で特色をピックアップしたのは「+5」となっていまして、割安、超高収益株、株価が右肩上がりで、理論株価と相関関係があります。この相関関係とは、株価と理論株価の連動性を示しています。
相関度を見ると、全期間では65%、直近1年間では80%と、非常に強い相関が確認されています。この相関が強いということは、株価と理論株価が連動しながら右肩上がりに推移していることを意味します。また、直近では先行指標が中心となり、赤のラインが大きく上昇していることがわかります。
それから、配当についてですが、AViC様はまだ新しい企業であり、成長を重視しているため、現時点では配当はありません。以上が、AViC様の理論株価チャートによる簡単な分析となります。まずは、この理論株価と実際の株価の値動きをご覧いただき、市原様の率直なご感想をお聞かせいただければと思います。例えば、「もっと株価が高くあるべき」などのご意見があれば、可能な範囲でお聞かせいただけますでしょうか?
■AViC市原
すごく勉強になりました。ありがとうございます。おっしゃるとおり、当社は上場からまだ2年数ヶ月と比較的短い期間ですが、毎年、売上高や利益の成長、営業利益率の向上を継続的に示せるようになってきたと考えています。特に前期から今期にかけて、その成長がより明確になってきたのではないかと思います。今後もこの成長を継続し、マーケットからの信用を得ることで、業績に見合った株価の評価がなされるのではないかと期待しています。
●はっしゃん
はい、ありがとうございます。それでは、少し意地悪な質問をさせていただいてもよろしいでしょうか?この理論株価を見ると、上場直後は非常に良い動きをしていましたが、初年度は残念ながら理論株価が下落しています。また、株価も右肩上がりではなく、一時的に下落していたようですね。そして、2年目以降は切り返し、非常に良い流れになってきています。しかし、最初の業績を見ると横ばいで、やや停滞していたようにも見えます。上場直後は意欲的な展開を見せていましたが、最終的には横ばいにとどまったという推移だったのか、その点について率直にお伺いしたいのですが、いかがでしょうか?
■AViC市原
そうですね。やはり、当社の経営の内容は、上場直後と現在では大きく変わっています。
経営の厚みや組織の層も格段に向上していると感じています。上場当初は、スタートアップ企業のお客様からの売上高の比率が一定ございましたがスタートアップ企業の資金調達が急激に厳しくなり、多くの企業が広告出稿を停止する事態が発生しました。当時は、自社顧客やADK様との取り組み、その他のパートナーとの連携といったポートフォリオ全体の厚みが十分ではなく、その影響をカバーするのが難しい状況でした。この反省を踏まえ、この2〜3年は顧客基盤の拡充に注力し、その結果、順調に広がっています。また、営業利益率をしっかり確保するために、社内の自動化を推進し、すべての業務をデータ管理することで、人的資本をコントロールしやすい状態にしました。こうした取り組みを1〜2年かけて進めた結果、現在の業績にしっかりと反映されていると考えています。
●はっしゃん
はい、ありがとうございます。それでは、右肩上がりの成長を続ける2年目以降についてですが、現在のチャートは非常に期待が持てる形になってきていると思います。上場直後は伸び悩む局面もありましたが、直近では業績が右肩上がりに推移しています。さらに、株価も上場時の初値を超え、今月は新高値を更新していますよね。
これは非常に特筆すべき点だと思います。実は、私はこれまで新規上場企業をすべてチェックしてきましたが、その多く、約8割の企業は上場後に株価が右肩下がりになっています。市原様もご存じのとおり、上場当初に高く評価されても、その評価を継続するのは非常に難しいですよね。
そうした中で、AViC様は1年目こそ足踏みがあったものの、2年目以降は飛躍に向けて右肩上がりの成長を見せています。投資家として最も関心があるのは、この成長が今後も持続可能かどうかという点です。先ほどのお話からも、御社の優位性を活かして成長モードに入っていると感じました。今後の成長に向けて、連続成長や非連続成長についての意気込みをお聞かせください。
■AViC市原
はい。引き続き、売上高は市場の成長を上回る30%の成長を目指し、利益についても前期・今期ともに50%以上の成長を達成しています。
このように、持続的な成長を実現するための土台がようやく整ったと考えています。ここからは成長フェーズに移行するとともに、安定的に高い水準での利益成長ができるフェーズにも入っていくと見ています。
さらに、M&Aを通じて得た大きな知見により、今後のM&Aに対しても強い自信を持てるようになりました。
そのため、今後はM&Aの積極的な実施を進めるとともに、新たに展開している海外事業にも注力していきます。今期からすでに売上が計上され始めており、先日もニュースで発表させていただきました。このように、新たな収益基盤の拡大・拡充を進めることで、持続的な高成長と非連続的な成長の実現を目指していきたいと考えています。
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