東証グロース市場250指数のポイントと先物取引の魅力について~vol.2
*14:47JST 東証グロース市場250指数のポイントと先物取引の魅力について~vol.2
以下は、2025年2月17日にYouTubeチャンネル「FISCO TV」で配信された「東証グロース市場250指数のポイントと先物取引の魅力について」です。2024年相場の振り返り、先物取引の活用方法を、フィスコ アナリストの白幡玲美が紹介、2回に分けてします。
さぁ、それでは、最後に、東証グロース市場250指数先物取引の特徴を説明させて頂きます。取引時間は日中のレギュラーセッションは8時45分~15時40分でクロージングは15時45分です。夜間取引も実施されており、レギュラーセッションは17時00分~翌5時55分、クロージングは6時です。また、祝日取引も可能な商品です。取引単位はグロース市場250指数 × 1,000円です。つまりグロース市場250指数が700ポイントの時は、70万円相当の取引を行っていることになります。証拠金はVaR方式(Value at Risk方式)で日々計算され、1/20現在、3月限は買いが1枚当たり42,189円、売りが35,630円です。
先物取引なので、売りから入ることが可能で、またレバレッジを効かせ手元資金の数倍の取引も可能です。
昨年のように緩やかな下降トレンドが発生している時は売りから入って、安値圏で買い戻すことで利益を得ることも可能です。8月5日の急落前に売りを入れて大底である年初来安値で買い戻すことも理論上は可能です。
ただ、今回、ご紹介した時価総額が大きく東証グロース市場250指数への影響力がそれなりに大きい銘柄を保有していた状況で、その銘柄に何か悪材料が出たとき、現物株では対応できない夜間取引で、先んじて東証グロース市場250指数先物を売っておくこともできます。現物株と組みわせることでリスクヘッジの取引を行うことは可能ですので、いろいろなパターンを考えるのも面白いかと思います。
では、具体的な投資活用術を二つご紹介します。
まずはこちら【高い成長性が期待できるグロース上場企業に投資】という活用術です。グロース市場は、成長性が高く、起業して間もない若い企業が多く上場している市場ですので、グロース市場で成長性が評価されて知名度が上がり、時価総額や流動性が高くなると、スタンダード市場やプライム市場へと上場市場の変更を行うケースが多くあります。
例えば、フリマアプリを展開するメルカリは、2018年に当時マザーズ市場に上場した後、2022年にプライム市場に変更し、2023年10月には日経平均株価を構成する225銘柄の一つに採用されました。上場してから日経平均構成銘柄となるまでわずか5年というスピード出世を果たしました。
このような高い成長性を秘めた企業に投資したいが、なかなか絞り切れない方には、東証グロース市場250指数先物を保有することで、高い成長性を秘めた企業に投資することが可能となります。第2、第3のメルカリを自分自身で見つけられなくても、「指数先物」という形で保有することで、高い成長性を享受することが可能となります。
次はこちら【長期保有しているグロース上場企業(時価総額が大きい)の下落局面で活用】です。長いタイトルですいません。これは、高い成長性に期待して時価総額が大きい企業に長期投資、つまり売るつもりはしばらくない、投資方針で保有しているケースを想定しています。長期的な株式投資ですので、いい時もあれば悪い時もあります。その悪い時に、東証グロース市場250指数先物を活用するわけです。
東証グロース市場250指数先物は、時価総額が大きい企業の構成比率が高いお話は既にしていますので、時価総額が高い企業の影響を受けやすい傾向があります。ですので、長期保有している企業の決算が悪くて下落する局面が予想できた場合に、先に東証グロース市場250指数先物を売っておくわけです。仮に大引け後に決算発表があっても、東証グロース市場250指数先物はイブニングセッションで売買することは可能ですので、翌日に下落したとしても東証グロース市場250指数先物で対応することはできます。
一方、注意しなくてはいけない点もあります。時価総額が大きい企業が下落しても、他の企業が上昇した場合、東証グロース市場250指数先物が思いのほか下がらない可能性は十分あります。ですので、この方法は「少しでも損失が回避できたらいいな」ぐらいの気持ちで臨むのがよろしいかと思います。完全に損失を回避するというのはプロの機関投資家でもなかなか難しいですので。
このように東証グロース市場250指数を理解して先物も活用することで、投資のスタイルが広がるかもしれません。その時の相場環境などで活用法は異なるかと思いますが、今回の動画が、皆様の投資の新たな気付きとなれば幸いです。
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