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今仙電機製作所 Research Memo(4):2030年3月期に売上高1,500億円、営業利益率6.0%を目指す

2025年03月11日 11:04 銘柄/投資戦略

*11:04JST 今仙電機製作所 Research Memo(4):2030年3月期に売上高1,500億円、営業利益率6.0%を目指す ■中長期経営計画

今仙電機製作所<7266>は2022年3月期~2024年3月期において中長期経営計画を実施した。この計画では、事業体制強化の面などで一定の成果を出すことができたものの、自動車電動化に対応したシートなどの製品を投入する必要性や、利益を安定的に確保するための施策の必要性、さらには将来の不確実な事業環境を見据えた施策の必要性などの課題も生じた。今後、さらなる企業価値向上を目指すため、中長期経営計画の見直しを行った。具体的には「長期目標の再設定」「主要2事業への集中」「資本コスト・株価を意識した経営の実現」に経営方針を軌道修正した。

2030年3月期の長期目標として、売上高1,500億円、営業利益率6.0%、ROE7.0%以上を掲げた。シート・電装事業に関してはテイ・エス テックの拡販に追随するほか、外資を含めた拡販を独自展開する。電子事業では主要顧客との関係強化と新規顧客への拡販を図り、新事業では、グループ保有技術を結集し新しい商品の開発を目指す。

また、前述の長期目標を達成すべく、2027年3月期を最終年度とする中期経営計画では、売上高910億円、営業利益率4.0%、ROE4.0%以上を目標に掲げ、この実現のために以下の9つの重点施策を進める。

営業機能の強化では、テイ・エス テックのグローバル拠点活用による共同拡販の推進が大きなドライバーになる。中国での不振が続くなか、期待されるインド市場において、連携した新商権獲得活動が同社にとって大きなプラス要因になりそうだ。対インドでは、日系OEM向けの新規受注獲得により売上高が急増する見通しにあるという。

北米・中国再編による収益強化については、北米1拠点化に合わせた体質強化投資の実施を掲げる。既に北米は収益改善が進んでいるものの、プレス、溶接、塗装、組立の一貫生産体制構築による競争力強化を推進する。なお、メキシコのシート事業は集約化に伴い既に米国オハイオ工場に移管済み。また、米国テネシー工場の建屋売却を決定しており、これにより2026年3月期に特別利益として850百万円の売却益計上を予定している。一方、中国に関しては、縮小した市場に合わせた体制整備を進める。従来の生産規模には回復しないことを前提に施策展開を図る。また、モーターショーに出展するなど、日系メーカー以外への展開も図る。このほか、北米と中国においては、現地調達や製品の内製化を図るなど調達構造の再構築に取り組む方針だ。

事業成長のドライバーと位置付ける電子事業の強化については、マツダとの合弁会社で開発しているインバータについて、量産体制の構築に向けて取り組んでおり、今後の事業拡大に向けて積極的に投資を図っていく。

グループシナジーによる将来製品開発では、スマートファクトリー、新しい車室空間、パーソナルモビリティの3つのテーマを掲げ、将来成長に向けた新規事業領域の開拓に取り組み、グループシナジーを発揮させる考えだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)

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