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銘柄/投資戦略 2020/07/15 15:01 一覧へ

橋本総業HD Research Memo(1):2020年3月期は在庫機能を発揮し、大幅増益を達成

■要約

橋本総業ホールディングス<7570>は管工機材・住宅設備機器の1次卸で、建築資材のうち、管材や衛生陶器、空調機器などを全国の2次卸や工事店へ向けて販売している。同社は1890年に設立され、130年という歴史のある老舗で、四代目の現社長は“ベストパートナー”をテーマにメーカーや販売先などに対する取引先満足の向上や地域に密着した営業、システム活用を推進している。同社グループは、持株会社の同社と傘下の連結子会社6社により構成される。子会社は、オールマイティな品ぞろえと機能を有する橋本総業(株)など各社それぞれの特徴を有する。新築住宅の市場は厳しいが、小中学校などでのエアコン設置ニーズ、多数の再開発プロジェクトなど市場環境は堅調と言える。

取扱商品は、管類、継手類、バルブ類など管材類、便器・手洗器など衛生陶器・金具類、給湯関連など住宅設備機器類、エアコンなど空調機器・ポンプで、水回りに強みがある。2020年3月期のセグメント別売上高構成比は、管材類30.7%、衛生陶器・金具類29.0%、住宅設備機器類16.4%、空調機器・ポンプ22.7%、その他1.3%だった。仕入先は大手有力メーカーが多く、なかでもTOTO<5332>の仕入高構成比は約30%に上る。各拠点ほか主要倉庫に売れ筋を常時在庫していることが特徴で、一部エリアでは当日配送も可能となっている。MRO(間接資材)※系ネット通販などによる市場浸食が懸念されるが、彼らが建築資材全般を薄く広く品ぞろえしているのに対し、同社には管材を深掘りした品ぞろえや充実したサービスなどの特徴があるため、ほとんど影響がないようだ。

※※生産に直結する原材料・資材・部品など専門性の高い直接材以外を指し、建築資材業界以外でも広く使用される工具や消耗品など経費購買品のことである。


2020年3月期の業績は、売上高137,815百万円(前期比3.7%増)、営業利益2,919百万円(同17.6%増)となった。建設需要がおおむね堅調に推移するなか、TOTO製品の値上げ前の駆け込み需要やエアコンの好調継続などを背景に大幅増益となった。特にTOTO製品の値上げ前の駆け込み需要の際、在庫が足りずボトルネックを起こした同業他社が多かったが、同社は必要な在庫を常時確保しているためボトルネックを起こさず、販売好調を続けることができた。また、新型コロナウイルス感染症の影響で中国からの部材供給が滞った際も、在庫を持っていたことから同社は営業を継続することができた。このように、2020年3月期は卸の存在意義の一つである在庫機能が増収増益に寄与したと言える。

2021年3月期の業績見通しについては、売上高138,000百万円(前期比0.1%増)、営業利益3,000百万円(同2.8%増)を見込んでいる。上期は新型コロナウイルス感染症の影響で前年同期実績を下回るものの、通期では前期並みに戻るという想定である。既存分野でのシェアアップ及び地域密着型の営業に加え、仕入、販売価格の管理強化などにより利益を確保する考えだ。なお、2019年12月にオーテック<1736>との業務提携の検討を開始し、営業協力などにより生産性向上を狙う。また、子会社のみらい物流(株)とみらいエンジニアリング(株)の事業を開始することで、物流やエンジニアリングといった全社的機能を部門横断的に効率的に活用していく考えである。さらに、2020年7月にはタイにHATタイランドを設立する予定で、タイでの受注拡大を見込んでいる。

■Key Points
・管工機材・住設機器の1次卸
・2020年3月期は在庫機能が効果的に機能し2ケタ増益
・2021年3月期も増収増益を見込む

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


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