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銘柄/投資戦略 2019/12/06 15:29 一覧へ

DDHD Research Memo(9):新たな連結中期経営計画をスタート。高収益体質への転換や将来利益の創造へ

■中期経営計画

DDホールディングス<3073>は、ゼットン及び商業藝術、エスエルディーの連結化や、業界を取り巻く環境変化等を踏まえ、新たな連結中期経営計画(3ヶ年)をスタート。「現存規模を最大限生かした高収益企業グループへの体質改善のための利益追求、及びガバナンス体制強化をスピード感をもって挑む」という基本方針のもと、後述する7つの施策「SUPER 7 PROJECT」を推進することで、企業価値の最大化を図る方針である。特に、「既存営業利益率の向上」、「将来利益の創造」、「コーポレート体制強化」の3つの変革を掲げており、グループ購買の集約化による売上原価率の低減及び不採算店舗での各種施策や業態変更等による利益率の向上、ガバナンス体制強化に向けた施策の推進により、2022年2月期の連結売上高600億円(年平均増収率5.6%)、連結営業利益率7%、配当性向15%以上を目指す内容となっている。

1. 新中期経営計画の位置付け
これまでの取り組みにより、持続的な成長に向けた事業基盤が整ってきたことから、今後は事業基盤を早期に軌道に乗せ、高収益体質への転換を図るとともに、将来に向けた新たな価値創造にも注力する方針である。したがって、同社グループがこれから大きく飛躍するための転換期と位置付けることができる。特に、利益率向上に向けては、1年目を「検証フェーズ」、2年目を「選択と集中」、3年目を「成長加速」と位置付け、3段構えでの実現を描いている。

2. 具体的な7つの施策「SUPER 7 PROJECT」について
同社は、中期事業戦略(既存営業利益率の向上、将来利益の創造、コーポレート体制強化)を推進するに当たって、以下の7つの施策「SUPER 7 PROJECT」に取り組む。

(1) 既存営業利益率の向上に向けて
1) 既存事業高収益体質への転換及び既存事業高付加価値ビジネスへの成長 ・スクラップ&ビルドによる低収益店舗の改善施策強化・グループ仕入れの最適化及び集客施策(DD POINT等)仕組み強化・オペレーション等の最適化による更なる利益率の向上・ウェディング事業を含む新規事業の早期黒字化・新たな事業プロダクトへの挑戦
2) 本社機能のPMI推進他による本社コストの比率引き下げ及び働き方改革対応

(2) 将来利益の創造に向けて
3) 外部コラボレーション・アライアンスの強化・店舗資産の新たな活用による更なる収益化※1
4) CVC※2による新たな経営資源の創出・オープンイノベーションの実現に向けたベンチャー投資※3
5) 対象事業領域の拡大による利益率向上のためのM&Aの推進・再生型M&Aから多角化及び連結収益モデルの多様化を実現

※1 「モノ消費」から「コト消費」へと消費者の関心が移りつつあるなかで、同社ではグループ内の優良立地及び運営力を生かし、外部IP(キャラクターやタレント等)とのコラボレーションを進め、新たな集客施設(コラボイベント特化型業態など)の実現を行うと同時に、外部企業とのアライアンスにより新たな事業領域の拡大を目指している。
※2 CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)とは、事業会社がベンチャー企業とのシナジーを求めて投資を行うために設立したVCのこと。
※3 同社の連結子会社である(株)DDホールディングスベンチャーキャピタル(DDHDVC)は、先進的な事業を展開しているベンチャー企業等への投資を通じて、同社グループ独自のインキュベーション機能の発揮や将来の業務提携により、ともに成長していくことを目的として、2019年3月28日付で「DD Holdings Open Innovation Fund投資事業有限責任組合」を設立した。同ファンドは、同社及びDDHDVC の出資の他に、外部の投資家からも資金を調達し、ファンド総額を上限10億円としている。


(3) コーポレート体制強化に向けて
6) コーポレートガバナンスの更なる強化による企業統治の醸成 ・業績連動型役員報酬の導入による報酬制度の明確化・社外取締役の拡充によるガバナンス体制強化
7) 配当政策等の変更による株主還元強化・期末配当のみから、中間配当を実施し年2回の配当・DOE3%の配当方針から配当性向15%以上を目指す

弊社では、事業目標の中でも、連結営業利益率7%の達成が一番高いハードルとみている。もっとも、同社の収益性向上(高収益体質への転換)の道筋には、1)低収益店舗の改善(整理)、2)先行投資段階にある新規事業等の収益化、3)グループシナジーの更なる追求、4)新たな価値の創造、の大きく4つの要素がカギを握るものと捉えているが、1)及び2)の推進、すなわち同社本来の収益力に戻すだけでも、連結営業利益率6%程度への改善は可能であると評価している。したがって、3)及び4)の発現により、どれだけ上乗せができるかがポイントになるだろう。また、厳しい業界環境が続くなかで、さらに先を見据えた「将来利益の創造」についても重要なテーマと考えられる。いかに同社ならではのイノベーション(業界の枠を超えた新たな価値の創出等)を生み出すか、他社とのアライアンスやM&Aの動向にも注目したい。特に、新たに開始した「コラボレーションイベント特化型業態」については、好立地空間を確保したいIP提供者からの引き合いが強い上、同社にとっても店舗資産の有効活用(空き時間の収益化等)や、これまでの飲食中心から物販(グッズ販売など)が加わることによる収益性向上につながることから、非常に理にかなった戦略と言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)


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