米ハイテク株高を映してバブル崩壊後の戻り高値を更新【クロージング】
*16:09JST 米ハイテク株高を映してバブル崩壊後の戻り高値を更新【クロージング】
9日の日経平均は大幅続伸。385.76円高の33763.18円(出来高概算16億6000万株)で取引を終えた。昨年7月3日の終値を上回り、バブル崩壊後の戻り高値を更新した。前日の米国市場でハイテク株が上伸した流れを背景に、半導体関連株などを中心に買いが先行。日経平均は寄り付き直後に33990.28円まで上昇。昨年11月20日に記録した取引時間中のバブル後の戻り高値(33853.46円)を上回り、1990年3月12日以来となる33900円台を回復する場面もあった。ただ、心理的な節目である34000円を前に戻り売りが出たほか、先駆した海運株や銀行株、円安一服で自動車株などが軟化したため、日経平均は上げ幅を縮めた。
東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1300を超え、全体の8割近くを占めた。セクター別では、その他製品、機械、精密機器、金属製品など25業種が上昇。一方、海運、鉱業、鉄鋼など8業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>、ソフトバンクG<9984>、テルモ<4543>が堅調だった半面、信越化<4063>、京セラ<6971>、三菱商<8058>、アステラス薬<4503>が軟化した。
前日の米国市場は、米長期金利の低下を受けたハイテク関連株への買い戻しや新製品を発表したエヌビディアが急伸したことから、主要株価指数は上昇。3連休明けの東京市場も半導体関連株を中心に幅広い銘柄に買いが先行して始まった。また、海外メディアが新型の家庭用ゲーム機を今年中に発売する見通しと伝わった任天堂<7974>が4%超上伸したことも投資家心理を上向かせたようだ。関係者からは、昨年末にかけて何度も挑戦して突破できなかったバブル後の戻り高値を突破したことで、先高期待が強まる可能性が高いとの声が聞かれ始めている。
一方、今週は11日に昨年12月の米消費者物価指数(CPI)、12日には卸売物価指数(PPI)の発表を控えており、米国の長期金利が低下傾向をたどるのか確認したいとみている向きも多く、経済指標を受けた米国市場の動きを見定めたいとの思惑が上値を抑える要因になる可能性もあり、見方が分かれている。
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