SFP Research Memo(1):2024年2月期上期は好調推移。通期業績予想及び配当予想を増額修正
*15:51JST SFP Research Memo(1):2024年2月期上期は好調推移。通期業績予想及び配当予想を増額修正
■要約
1. 会社概要
SFPホールディングス<3198>は、駅前・繁華街(路面店)での24時間営業で人気業態となっている「磯丸水産」(海鮮居酒屋)や「鳥良商店」(鶏料理専門店)等の運営を主力事業としている。一等立地による集客力を最大限に生かした独自の収益モデルを確立したことにより、高い収益性と成長性を実現してきた。2020年以降は、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を受けて業績が大きく後退したことから新規出店等の大規模投資を控え、コスト削減による収益体質の強化に専念してきたが、2024年2月期に入ってからはコロナ禍の収束に伴う国内消費の回復やインバウンド需要の取り込み等により、いよいよ本格回復の兆しが見えてきた。新たな成長ステージに向けて地方都市への出店や注力業態の育成にも取り組んでいる。2023年8月末の総店舗数は208店舗(うち、FC※15店舗)となっている。
※フランチャイズ(以下、同様)。
2. 2024年2月期上期の業績
2024年2月期上期の業績は、売上高が前年同期比41.0%増の14,286百万円、営業利益が1,009百万円(前年同期は948百万円の損失)、経常利益が同10.2%減の1,109百万円と大幅な増収となり、営業黒字化を実現した。一方、経常利益が減益となったのは助成金収入の剥落によるものであり、その点は想定内である。コロナ禍の収束に伴う国内消費の回復やインバウンド需要の取り込みが増収に寄与した。損益面では、物価上昇による影響を受けたものの、メニュー見直しなどにより原価率は安定推移。営業時間の拡大に伴う人件費や店舗運営費などの増加分を増収によりカバーし大幅な営業増益(黒字転換)を実現した。活動面では、地方都市への出店再開や注力業態である「ネオ大衆酒場」(小型・低投資で安定的に稼ぐモデル)の育成など、成長回帰に向けて一定の成果を残すことができた。
3. 2024年2月期の業績予想
2024年2月期の業績予想について同社は、好調な足元業績等を踏まえ、増額修正を行った。売上高を前期比22.2%増の28,000百万円、営業利益を1,700百万円(前期は754百万円の損失)、経常利益を前期比20.0%増の1,900百万円と、売上高のさらなる回復により、すべての段階利益で増益を見込んでいる。インバウンド需要の取り込みのほか、深夜営業の段階的な再開が増収に寄与する想定である。また、地方出店や注力業態「ネオ大衆酒場」の出店加速も上乗せ要因として見込んでいる。損益面では、賃上げによる人件費の増加やインフレに伴う原材料価格等の高騰、水光熱費の高止まりなどが想定されるものの、増収による収益の押し上げや原価率の抑制継続により大幅な増益となり、通年でも営業黒字化を実現する見通しとなっている。
4. 今後の方向性
同社は、2020年2月期までは毎年、向こう3ヶ年の中期経営計画を公表してきたが、2021年2月期以降はコロナ禍の影響により先行き不透明な状況にあることから公表を見送っている。ただ、今後の環境変化等を見据え、短・中期的な方向性を明示しており、(1) 地方都市への出店、(2) 注力業態「ネオ大衆酒場」の拡大、(3) 既存店の伸び(訪日観光客・深夜営業)、(4) インフレ対策(価格転嫁等)、(5) DX推進(キャッシュレス等)などに取り組むことで、成長軌道への早期回帰を目指していく。
■Key Points
・2024年2月期上期はコロナ禍の収束に伴う既存店の回復により大幅な増収及び営業黒字化を実現
・活動面でも、地方都市への出店再開や注力業態の育成などで一定の成果
・好調な足元業績を勘案し、2024年2月期の通期業績予想及び配当予想を増額修正
・地方都市への出店、「ネオ大衆酒場」の拡大、既存店の伸び、インフレ対策、DX推進等により、成長軌道への早期回帰を目指していく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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