2024年3月期連結本決算経常見通し下方修正、赤字予想に。
【業績予想/決算速報】あおぞら銀行<8304>が2月1日に発表した業績予想によると、2024年3月期本決算の経常損益は前回予想(31,000百万円)から下方修正され、49,000百万円の赤字になる見通し。因みに直前のIFISコンセンサスでは27,360百万円を予想している。
決算期 | 月数 | 区分 | 発表日 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期利益 | |
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202303 本 | 12 | 会社実績 | 2023/05/17 | 183,292 | -- | 7,356 | 8,719 |
202403 本 | 12 | 会社予想 | 2024/02/01 | -- | -- | -49,000 | -28,000 | |
202403 本 | 12 | 従来予想 | 2023/11/13 | -- | -- | 31,000 | 24,000 | |
202403 本 | 12 | コンセンサス | 2024/01/31 | 162,700 | -- | 27,360 | 22,140 |
202312 Q3 | 3 | コンセンサス | 2024/01/31 | -- | -- | 8,900 | 6,500 |
202403 Q4 | 3 | コンセンサス | 2024/01/31 | -- | -- | 7,300 | 5,400 |
※単位は百万円:今回会社から発表された内容
業績予想修正の理由:(適時開示より抜粋)
3.業績予想の修正の理由2023年5月に公表した中期経営計画「AOZORA2025」に基づき、「育てる」「変わる」「再生する」の3つの場面においてお客さまのお役に立つことを目指す「あおぞら型投資銀行ビジネス」を中心とした顧客関連ビジネスが着実に成長しています。第1~3四半期における顧客関連のビジネス利益(連結実質業務純益+株式等関係損益)は364億円、通期では440億円と前期実績338億円を大きく上回る見込みです。今般、来期以降の当行グループの成長をより確実なものとするため、バランスシート上の課題であった(1)米国オフィス向け不動産ノンリコースローンへの対応、(2)有価証券ポートフォリオの再構築について、2024年3月期において抜本的な取組みを行い、将来リスクを大きく削減することとしました。(1)米国オフィス向け不動産ノンリコースローンへの追加引当米国金利上昇やCOVID-19を契機とした在宅勤務シフト等に伴い、現在米国オフィス不動産市場は流動性が極めて低い厳しい状況にあります。オフィス回帰に向けた動きや米国金利上昇ペースの落ち着きに伴い売買事例が徐々に出始めており、今後価格形成が進むことが想定されますが、市場が安定的な状況に戻るまでには1~2年程度時間を要する可能性があると考えています。当行の案件においても、地域や物件の特性によって回復の二極化が進んでいます。こうした状況下、今後ワークアウト(物件処分による債権回収等)に取り組む案件が拡大することを想定し、追加引当による備えの強化を行うこととしました。全ての米国オフィス向け不動産ノンリコースローン案件をあらためて精査し、足元の評価に加えて今後2年間の価格下落リスクを勘案したフォワードルッキングの観点から物件評価の見直しを行い、現時点で想定される最大限の備えとして、第3四半期において324億円の引当金繰入を計上しました。この結果、12月末時点の米国オフィス向け不動産ノンリコースローンに対する引当率は18.8%と十分なバッファーを確保し、今後損失が発生するリスクを最小化させています。(2)有価証券ポートフォリオの再構築の加速米国金利上昇等の影響を受けて評価損を抱えることとなった外国債券を中心とした有価証券について、来期以降のポートフォリオ運営の柔軟性確保と収益改善を目的として、売却による処理を加速することとしました。第3四半期に外貨ETFの売却処理を開始し、第4四半期に残る外貨ETF、モーゲージ債の一部を売却する予定としており、これらの処理の結果、第3四半期に111億円、第4四半期に298億円、下期で410億円の損失を計上する見込みです。有価証券評価損益は、9月末の△926億円から12月末に△815億円となり、2024年3月末には△560億円に改善する見込みであり、有価証券ポートフォリオの再構築に向けて大きく前進することとなりました。詳細につきましては、別添「補足資料」をご参照ください。4. 配当予想の修正の理由2024年3月期配当については、注力する顧客関連ビジネスが順調に成長すること、十分な自己資本比率を維持することを前提として安定的な配当を行うこととしていましたが、このうち、顧客関連ビジネスは順調に推移している一方で、十分な自己資本の確保の観点では、2024年3月末の連結自己資本比率(国内基準)は8.8%程度、CET1比率は6.6%程度となる見込みであり、目標水準である9%、7%を一時的に下回ることとなります。このため、来期以降の成長に向けた資本の確保および資本健全性の改善を図るべく、第3四半期配当および期末配当予想を無配とし、今期の1株当たり年間配当金は76円とさせていただきます。当初予想配当を実施することができず、株主の皆様方にはご期待に沿えず深くお詫び申し上げます。来期以降のビジネスの着実な成長と、安定的な配当に向けた必要な取組みとして、ご理解を賜りたくよろしくお願い申し上げます。5. 2025年3月期の業務方針「あおぞら型投資銀行ビジネス」を中心とした顧客関連ビジネスが順調に拡大しており、ビジネス利益がプラスの部門がさらに成長していくこと、GMOあおぞらネット銀行(GANB)が黒字化に向けて着実な歩みを進めていること、リテールビジネスの構造改革の成果が出始めていること等によりビジネス部門全体での成長が見込まれることから、2025年3月の連結粗利益は850億円程度、親会社株主に帰属する当期純利益は170億円程度を計画しています。(2025年3月期業績予想については、2024年5月の通期決算発表時に公表予定)また、有価証券ポートフォリオ再構築の進捗により、2025年3月末時点の評価損は490億円程度と着実な改善を見込んでいます。資本政策については、「健全性の維持」「安定的な株主還元」「戦略的な資本活用」の観点を踏まえ、引き続き、注力する顧客関連ビジネスの順調な成長および十分な自己資本比率の維持を前提として安定的な配当を実施してまいります。2024年3月末時点で一時的に低下する自己資本比率については、来期の業績改善に伴う資本蓄積等により、2025年3月末の連結自己資本比率(国内基準)は9%、CET1比率は7%を上回る計画としています。株主還元については、来期は2024年3月期の1株当たり年間配当金予想76円からの増配を目指します。ステークホルダーの皆様方には、今期業績について重ねてお詫び申し上げますとともに、あらたなマネジメント体制による来期以降の当行グループの成長に向けた取組みにつきましてご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。